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大阪高等裁判所 昭和44年(ラ)8号 決定 1969年2月07日

抗告人 ニコライ・フヨードロヴィチ・サホブスキー

右代理人弁護士 中嶋徹

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

相続人不存在の場合における相続財産の管理人については、その後相続人あることが明かになり、その相続人が相続の承認をしたときは、右管理人の代理権は当然消滅するのであって、このような場合、家庭裁判所が右管理人を解任し得ることの規定はなく、したがって、家事審判法の定める審判事項中にもかかる解任に関する事件は含まれておらず、その審判に対する即時抗告を許す旨の規定も存しない。

家庭裁判所のなした審判に対しては、最高裁判所の定めるところにより、即時抗告のみすることができるのであるところ、上述のように本件の原審判に対して即時抗告をすることができる旨の規定がないので、本件抗告は結局不適法といわざるを得ない。

よってこれを却下し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のように決定する。

(裁判長裁判官 小石寿夫 裁判官 宮崎福二 舘忠彦)

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